京都・亀屋則克「浜土産」インパクト抜群の夏の和菓子

和菓子

見た目と味について

和菓子のなかで特に見た目のインパクトが強いのが、こちらの浜土産(はまづと)です。ハマグリの殻のなかに、琥珀色の寒天が詰められ、中心には黒色の浜納豆が一粒入っています。貝の身を模した浜土産は、上品な甘さの琥珀羹と塩味の効いた浜納豆が調和し、スッキリとした味わいが特徴的です。

菓銘の通り、海からのお土産のような雰囲気を感じさせる唯一無二の和菓子です。海に面していない京都市では、この和菓子は独特の情緒を感じさせたのでしょう。現在でも茶席で提供されることが多く、夏の定番となっています。また、浜納豆は大徳寺に伝わっているという理由から、大徳寺納豆とも呼ばれ、現代でもお茶請けや料理の隠し味として使われています。

食べ方について

浜土産は、5月中旬から9月中旬かけての夏限定のお菓子で、冷蔵庫などでよく冷やして食べることをお勧めします。一般的な食べ方として、2枚合わせになった貝殻の片方を外し、外した殻をスプーン代わりにするという面白い方法があります。茶席に限らず、見た目のインパクトや独特な食べ方など話題に事欠かない、京都の夏を代表するお菓子です。

亀屋則克の基本情報

創業:大正5年(1916年) 住所:京都府京都市中京区堺町通三条上ル大阪材木町702

大正時代に京都で三大亀屋と呼ばれた「亀屋良則」(後に廃業)から暖簾分けされたお店。創業当初より茶席などのお菓子を作り続け、今では珍しい座売り(店側が客を畳に上げ、商品を見ながら注文を決める販売方法)のスタイルが継承されています。外観も非常にシックで、一見すると店舗だと気づかないほどです。

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