福岡・久留米黒棒本舗「黒棒 筑紫路」素朴な味わいの優しいお菓子

和菓子

歴史と製造方法について

黒棒は小麦粉と卵を合わせた生地を焼き上げ、そのうえから黒蜜をコーティングしたお菓子です。その名の通り黒い棒のような形をしており、九州を中心に作られています。起源は南蛮菓子をもとにしたという説や農家で作られていたという説などがありはっきりとは分かっていません。どちらにせよ九州で黒砂糖の生産が始まった江戸時代には作られていたと考えられています。筑後地方(現在の福岡県南部)はサトウキビだけではなく、夏に米、冬に麦を育てる二毛作が行われていました。麦を挽く製粉所も近くにあり、黒棒を作るための原料が身近にある地域だったのです。今回紹介する久留米黒棒本舗の黒棒は昔ながらの「手づけ」と呼ばれる製造方法で、1つ1つ丁寧に作られています。

材料と味について

味の最も大切な要素となっているのが、自家配合ブレンドの黒蜜に使われている沖縄県産の黒糖です。口の中に入れてしばらくするとしだいに溶け、黒砂糖特有の奥深い甘みが広がっていきます。この甘味は天然の栄養成分であるミネラルが含まれていることによります。併せてカルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムなど健康維持に欠かせない成分も含まれている体に良いお菓子です。

三英堂の基本情報

創業:大正9年(1920年) 住所:福岡県久留米市荒木町白字栗の内1290

大正時代から手づくりで黒棒を作り続けてきた老舗です。隣接するカフェ「黒棒茶寮Doch(ドッホ)」は、豊かな自然のなかで黒砂糖を使ったお菓子を食べることのできます。

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